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時代に合わせた勤怠管理にアップデート(GO株式会社様)
時代に合わせた勤怠管理にアップデート(GO株式会社様)
- 勤怠管理サービス変更
- 在宅勤務
- IT・インターネット
- IPO
2025-02-05
GO株式会社
従業員数:約600名(2024年6月時点)
事業概要:タクシー事業者等に向けた配車システム提供などモビリティ関連事業
タクシーアプリ『GO』をはじめとするモビリティ関連事業を行なっているGO株式会社様。時代に合わせた労働時間管理を実現するために、2022年12月よりラクローを導入いただきました。今回は労務グループのみなさまに、導入前後のお話を伺いました。
「移動」のアップデートを通じて、日本の社会課題の解決を目指す
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- 今日は、小澤さん、川澄さん、嶋田さんの3名に出席いただいています。まずは自己紹介をお願いします!
- 小澤様
- HR本部長兼人事部部長の小澤です。
- 川澄様
- 給与計算などを担当しています。勤怠データを集計して給与に繋げる部分などの確認でラクロー導入に携わりました。
- 嶋田様
- 普段は川澄と一緒に給与計算を行っています。ラクローの導入では、従業員向けのマニュアル作成や、従業員からの問い合わせ対応など、みんなとフォローしながら進めていました。
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- ありがとうございます。では、GOさんの事業について簡単に教えてください。
- 小澤様
- 主に「どうする?GOする!」のTVCMでお馴染みのタクシーアプリ『GO』の開発・提供を行っています。
- 小澤様
- その他には『DRIVE CHART』という交通事故削減を支援する次世代AIドラレコサービスの開発もしています。
- これはタクシーに限らず、トラックや大手企業の法人営業車などに機器をつけていただき、運転速度や交通違反、運転者の視線などの運転内容をAIで分析して採点し、運転技術・安全性などを向上させて事故を減らしましょう、といったサービスです。
- この『GO』と『DRIVE CHART』が中心事業ではありますが、 その他に、『GX(グリーントランスフォーメーション)』 というモビリティ領域の脱炭素サービスを包括的に提供する事業や、北海道のニセコで冬季期間のオーバーツーリズムによる交通課題解決を目指す『ニセコモデル』など、地方自治体の皆様とタクシー事業者様と連携して地方交通の問題解決を行う事業等も行っています。
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- モビリティを中心に、そこにまつわる様々な課題解決に取り組んでいらっしゃるんですね!
「働きやすさ✖️成果」のハイブリッドワーク
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- 従業員のみなさまの働き方について教えてください。
- 川澄様
- 現在の働き方は、コアタイムなしのフレックスタイム制をメインとして、その他には管理監督者の方、シフト制のアルバイトの方がいます。
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- リモートワークの制度はどんな感じですか?
- 川澄様
- オフィス出社とリモートワークを社員自ら選べるハイブリッド型勤務を導入しています。
- 小澤様
- チームや職種によって出社率は違うところもありますが、全体的にはリモートワークの比率が高いですね。月に1回も出社しない方も結構多かったりします。
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- リモート寄りのハイブリッドワークなんですね。地方に住んでいらっしゃる方も多かったりするんですか?
- 嶋田様
- 開発系の職種では「オフィスフリー制度」と言って、遠隔地でのリモート勤務が可能となる制度を導入しています。オフィスに出社する義務がないので、北海道でも沖縄でも日本国内であればどこでも住んでいただくことが可能ですね。
- 小澤様
- もし会社が「出社してください」となった場合は、出張扱いで交通費等を会社が負担するようにもなっています。
- 川澄様
- ちなみに「オフィスフリー制度」は2022年7月に始まりましたが、現時点(2024年11月末現在)で22名が利用してます。今後も増えていく見込みです。
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- いつ頃から今の働き方をされているんですか?
- 川澄様
- 事業統合によりGOという会社(※)になったのがちょうどコロナウイルスが流行り始めた2020年4月だったので、当初から会社に行かずにリモートで働こうといった感じでした。
- 小澤様
- 実際のところは、緊急事態宣言も出たことでリモートを余儀なくされたという感じが近いかと思います。
※ 2020年4月DeNAのMOV/DRIVE CHART事業と統合し、JapanTaxi株式会社から株式会社Mobility Technologiesへ商号変更。2023年4月に現在のGO株式会社へ社名変更。
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- 最近ではオフィス出社に戻す会社も多いと聞きますが、GOさんはどうですか?
- 川澄様
- 去年の全社会で、今後、ハイブリッド勤務のままにするかどうかという話が挙がりましたが、社長の中島から「みなさんが成果を出してくれているのでこのままの働き方を続けることにしましょう」と話があり、ハイブリッド勤務を今後も続ける予定です。
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- 周りに流されず、みんなが働きやすい形で成果を出せるのであれば、それを続けようといったスタンスなんですね!
時代に合わせた勤怠管理の実現へ
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- 以前の勤怠管理はどのようにされていましたか?
- 嶋田様
- オフィスに出社する方は、ICカードで「ピッ」という感じで物理的な打刻をしていました。リモートワークの方は、当時利用していた勤怠管理システムとSlackを連携して、Slackで特定の文言を打つと打刻できる仕組みにしていました。
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- 当時の勤怠管理に何か課題はあったんですか?
- 嶋田様
- いくつか課題はあったのですが、例えば中抜けに関して困っていることはありました。
- 弊社では子育て世代が多いため、就業時間中に中抜けをする方が多いのですが、打刻の誤りで休憩時間が多いのか、中抜けで休憩時間が多いのかを判別するためにシステムの設定を労働時間より休憩時間が多い場合はアラートが出るようにしていました。そのため、アラートが出ている社員一人ひとりに確認をしてアラートの解除を行うのですが、アラートの解除は上司の承認が必要なため、勤怠を締めるための工数がかかっていました。
- また年次有給休暇についても弊社の付与タイミングが法律通りではないため、自動付与設定にすることが出来ませんでした。そのため毎年手動で対応していたことも課題の一つではありました。
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- 勤怠管理システムを乗り換えようと思ったきっかけは何だったんですか?
- 小澤様
- きっかけ自体は、上場準備を考える中で、客観的な労働時間の把握を求められたことですかね。
- ただ、元々労務グループ内でも、36協定違反の防止、従業員の健康管理などのために、リモート勤務時により正確に労働実態を把握したいよね、という話は挙がっていたんです。
- オフィス出社であれば、ビルやオフィスに入る時のセキュリティカードがあるので入退室の記録を使ったりすることで、客観的な労働時間の確認ができたりもするのですが、先ほどの話の通り弊社はリモート勤務が多いんです。労基署などの関係各所にも確認しましたが、リモート勤務をするうえでの客観的な記録は...となると、PCログしかないということになりました。
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- PCログを取ることにした時のみなさんの印象はどうでしたか?
- 小澤様
- 今ここに労務のメンバー2人いますが、意見割れるかもしれないですね(笑)。
- 川澄様
- そうですね。前の会社でログを取っていた訳ではないのですが、労基署が来た時に「PCのログとか取ってないですか?取ってくださいね。」と言われた経験があり、「そういう時代になったんだなー」と思いました。その経験があったので、PCログを取ることに対してはむしろ納得感がありました。
- 嶋田様
- 私自身は割と規則的な働き方をしていたので、フラットな気持ちでした。従業員視点では、開発職は、業務外で開発の勉強のために会社PCを利用したり、ビジネス側の方は、自社サービスや取引先のことをもっと理解したい・知識を深めたいという目的でPCを利用したりすることがあったため、ログを取ることで学びたいというポジティブな気持ちを抑え込んでしまう懸念が少しありました。
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- 従業員のみなさんの反応はどうでした?
- 川澄様
- 最初は、従業員側からネガティブな反応や雰囲気はありましたね。中にはチャットのDMで質問をもらったりすることもありました。
- ただ、マネージャー向けの説明会、全社員向けの説明会などを行っていく中で、「そもそもなんでログ管理をやっていかないといけないんだっけ?」みたいなことを説明していくことで少しずつ理解を得られたかと思います。
- 労務から全社に発信して理解を得る機会は、これまであまりなかったのですが、小澤を中心に定期的に情報発信を繰り返していくうちに、「勤怠管理とはこういうもの」というのが馴染んできたのかな、と今振り返って思いますね。
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- 従業員の方とのコミュニケーションの中で記憶に残っていることって何かありますか?
- 小澤様
- 説明会の中でいくつか辛口なコメントはありました(笑)。
- 「基本的にPCログがついているところが労働時間になりますよ」という点に対しては、マイナスな意見はほとんどなかったんですよ。
- ただ、弊社の場合、開発職はほぼフルリモートでPCをつけたままにしていることもあって、そうすると、その時間に関してもPCログが残ってしまいます。このような場合に「正しい労働時間に修正して、その理由を明確にする運用にしていく」という説明をすると、「面倒だ」などの反応がありました 。
- 他には、「土日や祝日など、チャットやメールを5〜10分だけ見た場合、この5〜10分も労働になるのか?」といった声も挙がりました。そこも、「労働となります」とお伝えしていました。
- 川澄様
- 私は、全社の説明会で、従業員から「これは労働になりますか?」「この場合はどうですか?」といった質問を受けて、「それは労働です」「それも労働です」などと回答していた時に、一部の従業員の方が納得されていない様子がありました。その時に、エンジニアのトップの方からも「それは労働だよ」と後押ししてもらえたのが印象に残っています。
- 労務部門だけが推し進めたい話ではなく、各部門のマネージャー層の理解も得られた上で、会社全体で進めていきたい話なんだよ、と伝えられたことは良かったです。
- やりたいことはリモートワーク下における労働時間管理をより適正に行うことで、従業員のみなさんの健康管理であったり、賃金の支払い漏れを発生しにくくするなどの適切な労務管理を行うことでした。全従業員が完全に納得できるところまではいけなかったかもしれないですが、理解はできるという状況は作ることができたと思います。
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- 導入してから皆さんの働き方に関して何か変化はありましたか?
- 川澄様
- 今まで自分が労働だと思っていなかったことが、「いや、これは労働だ」と認識できるようになったので、中には思い切ってやらないという選択肢を取る方も出てくるようになりましたし、PCをつけたら基本的には労働になるという意識に切り替わってきましたね。
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- その変化はもともと会社が目指していた方向と合ってましたか?
- 川澄様
- そうですね!
- 小澤様
- 労基署の臨検や上場審査においては、36協定違反やサービス残業をなくすための施策についてかなり具体的に見られるので、そういった観点でも今まで見えにくくなっていた部分がしっかり見えるようになったというのは良かったなと思います。
- あとは導入してみて思ったのは、実際の数まではまだカウントしていないんですが、以前のシステムを使っていた時よりも労働時間が長い傾向にある人がちょっと増えた印象はありますね。自己申告ではどうしても把握しきれない部分があったんだと思いますが、ラクローでログが見えることで、実態がより正確に把握できるようになりました。
後からログの突合をするか、ログで勤怠管理をするか?
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- ちなみに、導入検討の開始当初は、打刻をして後からPCログとの突合を行う運用を検討されていて、最終的にPCログをベースに勤怠管理をする運用にされましたが、社内でどのような議論があったんですか?
- 小澤様
- 当初、打刻をベースに勤怠管理をしようとしていた理由は、上場準備を進めていく中でPCログ管理を求められたからだったのですが、「まずはPCログを取れば良い」っていう考えで検討を進めていました。
- 後からよくよく確認してみると、理由がない限りはPCログと労働時間の乖離がないようにしなさいということでした。
- 打刻をして後からPCログとの突合を行う運用だと、結局以前の勤怠管理と同じことをした上で、更にログ管理も行い、結果的に乖離だらけになるということが想定されましたし、先ほども少し触れた通り、36協定違反の防止、従業員の健康管理などのためにリモート勤務時の労働実態を把握したいということが根底にあったので、そのようなことも考えると、最初からPCログ = 労働時間 にした方が良いよね、という話になりました。
- また、PCログをベースに勤怠管理をしようとすると、社内からのハレーションも大きくなるんじゃないかという懸念もあったのですが、そのハレーションと、打刻とログの乖離の発生を天秤にかけた時に、今の運用実態を取ろうという形になりました。結果としては、今の運用が良かったと思います。
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- 一般的に「勤怠管理=打刻」のイメージなので、PCログで勤怠管理をすると聞くと、中にはためらう方もいらっしゃいますね。
- 小澤様
- もし労基署の臨検があった際に、出勤簿やログの提出を求められて「この2時間の乖離はなんですか?」と後から指摘されたとして、後から一件ずつチェックするのであれば、最初からログをもとにした方が健全というか真っ当な勤怠管理かな、と思うので、それが今できてきたと思います。
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- 初めてラクローを触った時の印象など、覚えていることはありますか?
- 川澄様
- 覚えてます。当時同じ時期に3サービスくらい体験をしていました。ここにいるメンバーみんなが体験していたのですが、一番使いやすい、画面が見やすい、サクサク操作できるのがラクローでした。 従業員の皆さんに1から10まで全部説明しなくても、ある程度のことを伝えさえすれば、みんながなんとなく使えるなーというのが一番印象に残ってます。
- 小澤様
- 弊社はMacを利用している人が多いのですが、Macのログが取れるっていうのはとても良かったですね。そういった要件を満たしたうえで、UI/UX面が圧倒的にラクローが良かったです。
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- ラクローのサポート体制はどうでしたか?
- 嶋田様
- すごく助かってます!
- 小澤様
- とても良かったです。Slackでやり取りさせてもらったのはとても良かったです。距離が近くて気軽に聞けるので。
- 川澄様
- レスも早かったですね。
- 嶋田様
- 「今ちょっとミーティングしますか?」と言っていただけた時は、すごく助かりました。メールだと、「ヘルプページを読んでも分からないから聞いてるのに」とか「画面を見せながら『これで合ってますか?』がやりたいんだけどな」と思うことがあるので、そういったことがなかったのが良かったです。
導入後の変化と今後の展望
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- ラクローの導入前と導入後で変化はありましたか?
- 小澤様
- 以前と比較してより実態にあった労働時間を管理できるようになったのはもちろんですが、世の中の流れに良いタイミングで順応できたというところも感じますね。
- 労基署の臨検監督では、PCログと出勤簿の突合を行うケースが多くあると聞いています。客観的な記録による労働時間の把握が義務になってから数年経ちますが、臨検も4年に1回あるとして「前回の臨検でログ管理の指導をしたのに、今回来た時にもまだできていないのはなんで?」といったことが世の中的にこれから起きてくると思うので、そういった意味でも、良い流れで変わることができたと思います。
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- 現在、人事労務面で取り組まれてることや、今後力を入れていきたいことはありますか?
- 嶋田様
- 36協定の遵守、有給5日取得義務をきちんとやるのは当たり前として、それらを現場のマネージャーの方へ理解してもらうための活動を行っていきたいですね。 現在は、定期的に各マネージャーに対して「あなたの部下の残業時間が危ないです」とアナウンスをしているんですが、中には「労務からアナウンスが来てから対応すれば良い」と考えている人もいます。
- 川澄様
- もし36協定の上限に近くなった場合でも、上長に言われなくても本人がコントロールできるのが理想ですね。今はラクローの画面で労働状況を把握しやすくなったので、それを活用しつつ、理解の促進をしていきたいです。
- 小澤様
- コロナウイルスが流行して3〜4年経ちますが、以前と比較して働き方がグッと変わってきたというのもありますが、今後も新しい働き方には順応していきたいですね。
- 会社としてはITベンチャー企業であるというところは忘れずにやっていきたいので、毎日決まった時間にかっちり始業・終業すれば良いというわけではなく、みんなが働きやすくて、かつパフォーマンスも出せる、そのうえで労務管理もきっちりできる。そんなところを引き続き目指していきたいと思います。
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- 小澤さん、川澄さん、嶋田さん、本日はありがとうございました!